埼玉県青少年健全育成審議会委員にタバコ業界関係者は再任されず
2期4年にわたりタバコ業界関係者が埼玉県青少年健全育成審議会の委員に
埼玉県県民生活部青少年課(以下、青少年課と略す)では、青少年の健全育成に関する重要事項を調査審議し、及びその総合的施策の樹立につき必要な事項を調査審議する埼玉県青少年健全育成審議会(以下、育成審議会と略す)を開催しています。
この育成審議会の委員に、埼玉県たばこ商業協同組合連合会(以下、連合会と略す)会長が2期4年にわたり選任されていたことが、本年5月、埼玉・タバコと健康を考える会(以下、埼玉の会と略す)の会員からの報告でわかりました。
委員の委嘱条件が示されている埼玉県青少年健全育成審議会規則を読むと、第3条の3と5に連合会と連合会会長が合致していたため委嘱されていた、と推測できます。
20歳未満喫煙防止キャンペーン(以下、喫煙防止キャンペーンと略す)の主催者である連合会が「5 青少年の健全育成に関する活動を行っている者」 、連合会会長が「3 関係団体を代表する者 」という位置づけです。
任期は本年5月31日まで
青少年課の審議会委員に連合会会長が委嘱されていることについて、私は埼玉の会会員からの報告があるまで知りませんでした。こうしたタバコ業界の人物が審議会の委員に委嘱されている可能性について、考えが及ばなかったことをとても反省しています。
埼玉の会会員からの報告後、大雑把ではあるものの、私なりに連合会会長の任期中の審議会議事録を調べてみました。連合会会長が出席した審議会中、発言したのは2回にとどまり、意図的な誘導や公平性を欠くような発言はありませんでした。
しかし、審議会委員に連合会会長が再任されるとなると、埼玉県と埼玉県教育委員会がたばこ規制枠組条約(以下、FCTCと略す)第5条3項ガイドライン「6.2 締約国はたばこ産業の社会的責任と称される活動を是認、支援、提携又は参加すべきではない」を根拠に、2025年度から喫煙防止キャンペーンの後援を中止したことと整合性が取れなくなります。
埼玉の会では、会員の報告から委員の任期満了日の5月31日まで日がなかったため、既に新委員は内定していると考えました。会員から様々な意見が出ましたが、新委員の発表を待って今後の対応を決めることになりました。
新委員にタバコ業界関係者は再任されず
6月13日に埼玉県のホームページで審議会の新委員の名簿が公表されました。
連合会会長は再任されておらず、埼玉県の施策にタバコ業界関係者が関与する余地をまた一つ減らすことができました。
審議会委員に連合会会長が再任されなかった理由は、再任を妨げないと規則にはあるものの、特定の団体の代表者に3期も連続して委嘱することの是非はあったかと推測します。そして、少なくとも埼玉県では喫煙防止キャンペーンの後援中止を決定し(後援申請窓口は青少年課)、その理由をFCTC5条3項ガイドラインに拠っているのですから、喫煙防止キャンペーンを「青少年の健全育成に関する活動」として是認すべきではない、という結論に至らざるを得なかったと考るのが妥当かと思います。
タバコ業界の社会的責任と称される活動を是認するのか
埼玉県には、タバコ業界の関係者が県行政の登録制度の登録団体になっていたり、タバコ業界主催の会議に所管課が出席していたり、タバコ業界の行う社会活動を県ホームページで紹介していたりします。
【環境部資源循環推進課】
www.pref.saitama.lg.jp
【県民生活部共助社会づくり課】
www.pref.saitama.lg.jp
www.pref.saitama.lg.jp
さらには、県ホームページへの掲載はないものの、連合会主催の「埼玉県たばこ税県外流出抑制会議」に総務部税務課の主幹クラスが毎年出席しています。
このようなタバコ産業の社会的責任と呼ばれる活動に対し、埼玉県は、一方ではFCTC第5条3項ガイドラインを根拠に「是認、支援、提携又は参加すべきではない」と判断しながら、他方では今後も是認し、提携し、参加していくのでしょうか。
個人においても埼玉の会においても、このような整合性のない県行政を合理性のあるものにするよう、今後も継続して埼玉県に働きかけていきます。