たばこ規制枠組条約(FCTC)の批准を「重く受け止め、後援しない」埼玉県
当ブログ4月1日の記事
kituenwokangaeru.hatenablog.com
で、2025年度(令和7年度)から埼玉県と埼玉県教育委員会が、20歳未満喫煙防止キャンペーンの後援中止を決定したとお知らせしました。
公文書開示でわかったこと
後援中止の決定を、埼玉県が公文書として残す必要性を感じ、私が入会している埼玉・タバコと健康を考える会の会員が、埼玉県が後援中止を決定したことがわかる文書を開示請求しました。
その結果、「埼玉県の後援等に係る承認通知書(令和6年5月7日決済)」が埼玉県県民生活部青少年課(以下、青少年課と略す)から開示されました(写真)。
青少年課は、20歳未満喫煙防止キャンペーンにおいて、県の後援の承認可否を決定する窓口です。
この文書の保存期間は3年です。
3年を経過した場合、埼玉県が同事案の決定にこの文書を参照することができなくなるため、万が一異なる決定がなされた場合に対処できるよう私たちで保管する必要があります。
公文書の保存期間が以前と比べ短くなっていることもあり、政策決定に大きな変化があった場合は、なるべく早く開示請求した方がよいのです。



この文書の3枚目「3 備考」中の記載にあるように、
WHOが「締約国はたばこ産業の社会的責任と称される活動を是認、支援、提携又は参加すべきではない。」とガイドラインにおいて勧告し、日本も批准していることを重く受け止め、後援しない
という箇所(下線は筆者)が大変重要です。
埼玉県はたばこ規制枠組条約(FCTC)を日本が批准していることを「重く受け止め」、これまでの間違った方針を改める正しい判断をしたことになります。
この「重く受け止め」は政治家や行政がしばしば使う言葉ですが、埼玉県は「重く受け止め」るだけで済まさず、「後援しない」決定をしました。
なぜタバコ産業は社会的責任(CSR)活動に積極的なのか
タバコ業界が社会的責任(CSR)と称される活動に積極的なのは、タバコ業界がしている悪行を隠すためであり、仮にすべてを隠せなくても
「タバコ業界だって(悪いことをしているかもしれないけれど)いいことだってしているよね~」
「タバコ業界だって罪滅ぼしの精神があるから社会貢献しているんだよね~」
と、皆に見せるため、思わせるためです。
なぜなら、そこに存在意義を見出してもらわないと、タバコ産業が社会から追い出されかねないからです。タバコ産業はタバコ製品を売るだけでぼろ儲けができますが、社会から締め出されてしまったら反社会的勢力の一員となってしまい、それはそれで販売戦略上、とても困るのです。
実際に、アメリカでは、主にマフィアや麻薬組織などの組織犯罪に対して適用される連邦法(RICO法)に基づき、タバコメーカーが訴訟対象になっています。
タバコ産業が社会的に許容される雰囲気づくりに必死なのは、タバコを製品を売り続けるためです。
埼玉県と埼玉県教育委員会の後援中止の決定は、タバコ業界が「いいこと」をしているように見せるための活動(この場合、20歳未満喫煙防止キャンペーン)に、公的機関として加担しないことを表明した、大変重大な決定だと考えています。
埼玉県の他事業や他自治体へ波及を!
埼玉県ではタバコ業界が関係している公衆衛生政策の事業や制度・会議があります。
まずはそれらにタバコ業界を関与させないようにしなければなりません。
そして、20歳未満喫煙防止キャンペーンに高校生もしくは少年サポーターと称する大学生(20歳未満の可能性あり)や、警察・教育委員会など行政が参加している埼玉県以外の自治体は、私が把握している範囲では以下のとおりです。
【2023年】富士市
【2024年】島根県、鹿児島県、佐賀県、大分県、茨城県、松江市(私立高校)、鹿児島市、志布志市(私立高校)、さいたま市(市立高校)
【2025年】茨城県
これらの自治体に関係のある方々には、公衆衛生政策にタバコ業界が関与しないように、埼玉県の事例を自治体に報告し、20歳未満喫煙防止キャンペーンに行政や学校が協力することのないよう、働きかけてくださればと思います。
役人は、前例のないことには消極的で、その多くは事なかれ主義ですが、よほど悪辣か浅慮で愚鈍な首長の指示でもない限り、法的根拠に基づき行動しています。
埼玉県の事例を前例として働きかけをする際に必要な文書は、喜んで提供いたします。