喫煙を考える

タバコで苦しむ人がいない世界をつくるために、ともに考え、行動しましょう

荻野寿美子『私がタバコをやめた理由(ワケ) ―タバコ百害問答―』


長引く体調不良により、ブログを更新できなかったことをお詫びします。
また、本来でしたら積極的に行うところであったタバコ問題に対する取り組みや活動も
どうしても外せない課題のみを手元に残し、そのほかの案件についてはお休みしていました。
そのようななかで、『私がタバコをやめた理由(ワケ) ―タバコ百害問答―』の出版に
なんとかこぎつけることができました。
これもひとえにご協力いただきました皆様のお蔭です。
篤くお礼申し上げます。
ありがとうございました。


本書は、10人の元喫煙者の方々にタバコについてのお話を伺い
そのお話のなかからキーワードを拾い上げて、私と元喫煙者の夫が対話形式で
タバコが抱えるさまざまな問題について切り込んでいく内容です。
アルコール依存症の患者の場合、患者は家族とともに断酒会に参加したり
断酒会で体験談を語り合い、体験談をまとめた冊子を読んだりすることで
断酒の効果が上がることが知られています。
では、ニコチン依存症の場合はどうでしょう。
もちろん、現代では、病院には禁煙外来が開設され
インターネットを活用して公開された禁煙経験談を読むことも可能になり
禁煙マラソンといったシステムを利用することもできるようになりました。
では、自力にしろ禁煙外来にしろ、タバコをやめた後はどうなるのでしょう。
ニコチン依存症もアルコール依存症と同じく、やめ「続け」なければならないのです。
だとしたら、その時助けとなるのは、アルコール依存症と同じく
周囲の協力と、経験者のサポートなのではないでしょうか。
本書の10人の元喫煙者の方々のお話は
これからタバコをやめようと思っている皆さんの背中を押し
タバコをやめ続けていく皆さんをきっと勇気づけてくれることでしょう。
そして、喫煙者のご家族や周囲の皆さん、タバコを吸わない方には
タバコや喫煙者に対する理解を深める手助けになるのではと考えています。
タバコ問題に取り組む活動をとおして知り合った方からは
「よくいろいろな講演を聞きに行くし、タバコに関するパンフレットも読むけれど
 暫くすると忘れてしまう。そうしたいろいろなことがギュッと詰まった本があると良いな」
と、言われたことがあります。
本書は、タバコ問題に関する全てのことを拾い上げることはできませんでしたが
深く専門的ではないにせよ、かなり幅広くさまざまな問題について言及しました。
皆さんのお役に立てれば幸いです。


私の父は喫煙者で、タバコをやめたのは自分の意思とは関係なく
ある日突然タバコが吸いこめなくなったからでした。
これはおかしいということで病院に行き
そこで根治することはないタバコ病に罹患していることがわかり
そう遠くない将来に死が訪れる現実に直面しました。
そう遠くない将来、父に死が訪れるとわかっても、私と母は父がタバコを吸わなくなったことを喜びました。
父にタバコをやめてほしいとずっと思ってきましたし
父の喫煙が原因で家族間が険悪になることがしばしばあったからです。
でも、父が病気になってタバコをやめて、そこで初めて家族に平穏が訪れてうれしがられるなんて
それではあまりにも皮肉すぎると思いませんか。
さらに皮肉は続き、父が亡くなってから、私と母は以前にも増してタバコに苦しめられるようになったのです。
タバコに関連する物や光景を見ると、父の壮絶な最期が脳裡によみがえり、胸が苦しくなるのです。
おそらく父は、自分が死んだ後になっても
家族をタバコで苦しめることになるとは想像だにしなかったでしょう。
皆さんには、私たち家族のような、皮肉な人生を送ってほしくありません。
ご自身はもちろん、周囲の方が病気や死に直面する問題が起きてから
大切な人や大切な時間を失ってから気づいたのでは、遅いのです。
喫煙の有無にかかわらず、どうかご一読ください。 


9月23日(金)、全国の大手書店・ネット書店で発売です。
Amazonでは予約注文受付
あけび書房のホームページにも掲載され、「はじめに」と「おわりに」は読むことができます。